第1話

EM7

EM7読み:イーメジャーセブンス
構成音:根音=E、第3音=G#、第5音=H、第7音=D#
 メジャーセブンスの和音は、下から数えて3つの音が長調で上から数えて3つの音が短調なので、 明るいとも暗いともいえない、なんともしみじみとした響きがします。
 3人にギスモールを弾いてもらって、バスがエー(E)の音を弾けば完成。
 和歌山県人ならCM(お酒の酒に直角の直という名前の会社)で耳なじみ。

クラシックでメジャーセブンスは出てくるのでしょうか?
ベートーベンでそれを実感したことはないですが(※1)、
マーラーでそれらしき音を聴きました。

(※1)あればmailください。

マーラー作曲/交響曲第2番 第3楽章

その直前は、
トランペットがシッ、ミーッソ#シッ、ミッミッミッ、・・・
ティンパニがミ、シでドンドドドドン、
トランペットが3人がかりで、エードゥアのパンパカパカパカ、・・・
トロンボーンとチューバがミーシーミーシー、
っていったら、これでもかエードゥア〜・・・というフレーズですが、
その直後、トランペットのソロが始まると・・・
突然、
(マーラーは場面転換の天才ですね)

柔らかい風が吹くような、
暖かい日が射すような、
なんともふんわりした世界に入っていくのです。 ホルンアイコン

7度だけでなく、9度、11度(4度?)

ここは調べ甲斐がありますね。

くまtp さてこのトランペットソロは、
「ベルを高く上げて」「目立って」
マーラーがそう書いているのです。
(マーラーは指示の天才ですね)
八分音符

伴奏のトランペットも注目です。響きとともに、リズムがこの世界を演出しています。

ミソ#シにプラスしてレのナチュラルなら、E7になって、Aに行くドミナントですが、
そのレがシャープのレになることで、1つの音のたった半音の違いで、こんなに世界が変わるとは・・・
奥深いです。

市響では過去マーラーの曲は1回。

(マーラー/交響曲第1番「巨人」 演奏会:2002年7月20日/第37回定期演奏会)

→ 次の話は 第2話: 中途半端な知識が誤りを誘う