その3:録音機材について考える

 楽器をやっていて、自分の音を客観的に聴くという事は重要なことだと思う。特に私のように仕事をしながら楽器をやるものにとって、週に1回弾いて終わりというのでは、練習の内容が薄くなってしまう。 録音を行うことで、後で自分の音を振り返ることで、悪いところや次に行うべき事が見えてくる。最近では、安価で良い録音機材が増えてきたこともあり、ハードルは低くなっていると感じている。 今回は、録音機材を選ぶ上でのポイントを書いてみたいと思う。

録音機材を選ぶポイント

 手軽に録音を行うために、重要な項目としては@音質A持ち運びやすさB値段などが挙げられる。@は最も重視すべきであり、これを保ちながらAやBを満足する製品を選ぶことになる。 それぞれの項目について解説する。

@音質

 音質を決めるものとして、録音データの変換部分、音を拾うマイクが主なものとして挙げられる。まずは録音データの変換部分の話から。これまでに録音機材といえば、カセットテープ、DAT、MDなどがあったが、最近主流となっているのがデジタルオーディオレコーダー(リニアPCMレコーダー等とも呼ばれている)というものである。 これはSDカードなどのメモリーに、デジタルデータを保存するものである。高音質になれば、より容量の大きなメモリーが必要となるが、最近では大容量のメモリーが安価で手に入るため、入手しやすくなった。 細かい話をすると長くなるため、結論だけ言うと、最近発売されているデジタルオーディオレコーダーの購入を薦める。この部分に関しては、どの製品を選んでもそこまで大きな違いは無い。

 さて、もうひとつの重要な要素としてマイクが挙げられる。マイクの世界は奥が深い。マイクは音質を決めるのに最も重要な部分であり、良い音を追求していけば、値段もどんどん上がっていく。と言う事で概要だけ説明する。 マイクの種類には大きく分けて、ダイナミック型とコンデンサー型というものがある。大きな違いとしては、電源が必要か必要で無いかという点である。ダイナミック型は電池が必要なく、手軽にレコーダーにつなぐことが出来る と言うメリットがあるが、倍音までしっかり録る用途には不向きと考えている。コンデンサー型については、電池や専用電源などで、電気を供給する必要がある。非常に繊細な音まで録れるので、録音に向いていると思う。 最近のリニアPCMレコーダーに内蔵されているマイクは、レコーダーの電源から電気を供給するコンデンサー型タイプが多く、音質も良いものが多い。値段の差はマイクの性能が大きいと思われる。

A持ち運びやすさ

 手軽に録音を行うためには、持ち運びやすさと言うのも重要である。この点を考慮すると、外部マイクを使うより、マイクが内蔵されたものを使うのが良い。音質面のバランスを考えると、最近のPCMレコーダー を選ぶのが良いだろう。手のひらサイズの製品も多く、各人が良いと思うサイズを選ぶと良い。

B値段

 最近のリニアPCMレコーダーは、各社から沢山の種類が発売されている。値段的には5000〜20000円くらいの範囲でかなりの種類を選ぶことが出来る。商品の入れ替えも激しいため、随時購入するときに チェックすることを薦める。参考に価格.comのランキングなどを見ると分かりやすい。以下にアドレスを示しておく。

http://kakaku.com/kaden/ic-recorder/

2009.6.27 作成(Vn 田村)

2013.5.6 修正(Vn 田村)